弱者のポジショナルプレー
現代フットボールにおけるキーワードの1つとして、「ポジショナルプレー」がある。今回は、弱者のポジショナルプレーを成立させる条件とは何か?を考察します。
結城 康平
2020.11.04
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オーストラリア人監督、アンジ・ポステコグルーが率いる横浜・F・マリノスが2019年にJリーグ優勝を成し遂げるなど、「ポジショナルプレー」は日本でも徐々に浸透しつつある概念だ。
徳島ヴォルティスを率いるリカルド・ロドリゲス、セレッソ大阪のミゲル・アンヘル・ロティーナとイバン・パランコのような指揮官が活躍することで、欧州で注目を浴びるこの概念は日本にも浸透しつつある。しかし、当然だが「ポジショナルプレー」は全てを解決する特効薬ではない。
例えばヴィッセル神戸は、ポジショナルプレーの歴史において欠かさない存在として知られる「哲学者」フアンマ・リージョを招聘。同時にFCバルセロナのユースで育ったMFセルジ・サンペールに加え、黄金期を中核として支えたアンドレス・イニエスタを獲得した。その他にも海外から多くの選手を獲得するも、2019年4月17日には神戸との契約を解除している。その後を受け継いだトルステン・フィンクも2020年9月22日に家庭の事情を理由に退任しており、三木谷オーナーが抱いた「ポジショナルプレー」の導入には成功していない。